個人の借金ってどうなるの?金額の確認方法や相続放棄の方法
2022/09/16
親や配偶者など、家族が亡くなってから故人の借金が発覚すると、遺族としてはとても慌ててしまうものです。
借金の額が小さければ、遺族同士でお金を出し合うという選択肢もあるかもしれませんが、数十万円、数百万円にも及ぶような多額の借金である場合はそうもいきません。
とはいえ、故人の借金の放置はできないのが現状。万が一、故人の借金が判明した場合はどうしたらいいのでしょうか。
今回は、故人の借金の確認方法や、相続放棄の手続きなどについて詳しくご紹介します。
目次
そもそも故人の借金を背負う必要はあるのか
故人の借金が発覚した場合、そもそも遺族にはその借金を背負う義務があるのかという疑問を感じる方は多いですが、結論からいうと「財産を継承するなら借金を背負う必要がある」という状況です。
仮に、故人名義の建物を相続したり、預貯金や株式などを受け継ぐ場合には、同時に故人の抱えていた借金も引き継がなければなりません。
裏を返せば、相続を放棄すれば故人の借金を背負う必要もなくなる、ということでもあります。
そのため、遺族の多くは、借金の額と相続する額を照らし合わせ、負担の少なくなる方を選ぶ傾向にあります。
故人の借金を確認する方法
故人の借金を確認する場合、どのような方法があるのでしょうか。
一般的に、借金を確認できる方法としては、以下のようなものが挙げられます。
・金銭消費貸借契約書
・催促状
・借用書
・預金通帳
金銭消費貸借契約書や借用書は、お金を借りた側と、お金を貸した側の両者が所有している書類です。借りたお金の金額や借りた時期などが記載されている書類であり、借金状況を知るうえでは貴重な情報源といえます。
しかし、知人同士や、口約束などでのお金の貸し借りの場合は金銭消費貸借契約書や借用書を作成していない場合もあるので注意してください。
また、催促状は支払いが滞っているときに届く書類なので、生前は予定通り返済できていて書類が届いていない場合であっても、故人が亡くなってから返済が止まって自宅に届くケースもあります。
故人宛に届く書類は必ずすべて目を通し、催促状関連の書類が届いていないかをチェックしてください。
借金関連の書類が見つからない場合には、預貯金からおおよそ把握できることもあります。
具体的な金額はわからなくても、定期的にまとまった金額が引き落とされているようであれば、何らかの支払いを行っていることが考えられるでしょう。
相続放棄で回避できる負債や債務は?
本記事前半で、相続放棄をすることで、借金を回避することができると触れましたが、具体的にどのような負債・債務の負担をせずに済むのかを知っておく必要があります。
遺族が相続放棄をすることで、回避できるのは以下の通りです。
・未払い金の支払い
・借金全般(保証人になっている場合も含む)
・税金
・損害賠償金の支払い(故人が被告になっている場合)
基本的に、相続放棄をすることで、故人の抱えていた大半の負債や債務を回避することができます。
ちなみに、相続を放棄することで回避できるのはお金に関することだけではありません。故人から引き継ぐ予定であった権利や立場など、お金以外の部分においても放棄が可能です。
相続放棄の方法
相続放棄をする場合、どのような方法で進めていけばいいのでしょうか。
ここからは、具体的な順序や必要な費用、書類関連についてご説明します。
家庭裁判所に申述する
相続放棄をする際には、まず必要な書類を準備して家庭裁判所に申述します。
必要な書類は以下の通りです。
【全員必要なもの】
・戸籍附票
【配偶者・子が必要なもの】
・戸籍謄本(相続放棄をする人のもの)
・被相続人の死亡が記載された戸籍謄本
【被相続人の父母や祖父母が必要なもの】
・故人の出生から死亡までを記した戸籍謄本
・代襲者の出生から死亡まで連続した戸籍謄本
・死亡した直系尊属の死亡が記載してある戸籍謄本(被相続人の直系尊属に死亡している人がいる場合のみ)
【兄弟姉妹・代襲相続者が必要なもの】
・被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
・直系尊属の死亡が記載のある戸籍謄本
・故人の子とその代襲者の出生から死亡まで連続した戸籍謄本(被相続人の子(およびその代襲者)で死亡している人がいる場合)
・本来の相続人が死亡したことが記載してある戸籍謄本(代襲相続者が相続放棄する場合)
相続放棄の費用
相続放棄には、800円分の収入印紙と連絡用の郵便切手の2つの費用がかかります。
連絡用郵便切手に関しては、家庭裁判所ごとに若干費用が異なるので、手続きを行う予定の家庭裁判所に問い合わせて確認をしておきましょう。
また、専門家に依頼する場合も、別途依頼費用がかかるので注意してください。
相続放棄の注意点
相続放棄前にしてはいけないことがある相続放棄が確定していない時期にやってはいけないのが、故人の財産関連を自己判断で使ったり、譲ったりしてしまうことです。
故人の預貯金を使う、故人の貴金属を人にあげる、家財を捨てる、契約を勝手に解約するなどの行為は「単純相続」と判断されるリスクがあります。相続放棄が決まるまでは、資産価値があるものや、お金に関わるものには極力触らないようにしましょう。
代襲相続に注意
相続を予定していた遺族が亡くなっていた場合、その子どもが相続することを代襲相続といいます。
場合によっては複雑なつながりによって、思わぬ人物が代襲相続となることもあるので、注意してください。
必要に応じて専門家に相続放棄を依頼する
相続放棄の手続きは、必要に応じて専門家に相談しましょう。
決して難しい手続きではないので、自分で手続きを進めることは可能です。しかし、借金の全容が把握できない場合や、相続人同士でトラブルになり話し合いが進まなくなりそうな場合などは専門家に手続きを依頼することをおすすめします。
また、普段忙しくて手続きの時間がとれない場合にも、専門家に手続きを依頼するといいでしょう。
おわりに
故人の借金は、遺族としてはとても慌ててしまうものです。
しかし、相続放棄の選択肢があることや、相続放棄の手続きについてあらかじめ理解を深めておけば、慌ててしまうことはありません。
故人の借金に悩まされないよう、今回ご紹介した内容を頭に入れて今後の対応について考えておきましょう。
監修者:大坂 良太 所有資格:遺品整理士・事件現場特殊清掃士
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