仏壇はどの向きで置く?考え方や宗派の違い、置き場所を決めるときのポイントを解説
2022/03/05
近年、「仏壇はどこに置けばいいの?」「どんな向きで置くのが正解なの?」といった悩みを抱える方が増えています。
一昔前までは仏壇を置くためのスペース(仏間)を設けている家がほとんどでしたが、近年はライフスタイルの変化に伴い仏間がない家も多く存在しています。
なかには、家を建て替える際に「仏間を作らないけど仏壇は持っている」といった方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は仏壇の置き場所に悩んでいる方に向けて、「仏壇を置く向き」「仏壇を置く場所」などについて詳しくご紹介します。
目次
仏壇の向きにおける考え方とは
仏壇の向きは、「どの向きに置くべき」といった明確なルールは存在せず、人それぞれの考え方や、宗派などによって異なります。
まずは、仏壇の向きの考え方について見ていきましょう。
本山中心説
本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ)とは、本山に向けて配置する仏壇の置き方のことです。
信仰している宗派の寺院である本山の方角へ向けて仏壇を置くので、家の場所によって仏壇の向きが異なるのが特徴。
ちなみに、本山中心説を取り入れているのは「真言宗」です。
南面北座説
南面北座説(なんめんほくざせつ)とは、南向きに仏壇を置く考え方のことであり、背面が北向きになるのが特徴です。
高貴な人物は南向きに座るという古代中国の慣例を習ったものであり、敬う人(敬う対象)を南向きにします。
東面西座説
東面西座説(とうめんせいざせつ)は、仏壇を東向きに配置する置き方です。
日が昇ってくる方角とされる「東」は、インドにおいて縁起が良いとされている向き。このインドの考え方を取り入れたのが、東面西座説なのです。
また、西の方角を向いて祈れるようになっている点も特徴です。西は極楽の世界であると信じられており、人々は西を向いて祈る習慣があります。
仏壇を東向きに置くことで、祈る人が西側を向けるため「西方浄土説」として取り入れている家も少なくありません。
仏壇は「宗派」で向きが異なる?
仏壇は考え方によって配置の向きが大きく異なりますが、「宗派」でも適切な向きは変わるとされています。
信仰している宗派がある方は、以下を参考にしながら仏壇の適切な向きを確認しておきましょう。
無宗教
無宗教の場合は、仏壇の方角を意識する必要はありません。
とはいえ、どの向きに置けばいいのか悩んでしまう方も多いでしょう。無宗教で、仏壇の方角に悩んでいる方は、仏様はどこにでもいるという考えに倣い、自宅の都合の良い場所に置いたり、「万物のはじまり」と信じられている縁起の良い東向きに置いたりしてみてはいかがでしょうか。
真言宗
本ページでも触れた通り、真言宗は本山に向かって仏壇を配置します。
特定の方角に向けるわけではないので、まずは本山の位置を把握し、適切な場所に置くことが重要です。
曹洞宗・臨済宗
日本では比較的信仰の多い曹洞宗・臨済宗。これらの宗派は、仏壇を南向きに置くことが一般的です。
釈迦が説法するときに南を向いて座っているといった考え方により、仏壇を南向きにするというもの。
古代中国の考え方と似ており、仏壇を置く向きとしては適切なものであると言えます。
浄土真宗・浄土宗・天台宗
浄土真宗や浄土宗、天台宗は、主に「東向き」に仏壇を置きます。
なぜなら、この3つの宗派は祀っている阿弥陀如来が西の方角にいると信じられているからです。
つまり、人々は西向きに祈ることが重要であり、仏壇は東向きに置くべきといった考え方があります。
日蓮宗
日蓮宗では、数ある宗派のなかでも珍しい「方角に関する考え方のない宗派」です。
そのため、仏壇の置き場所は自由に決めて問題はありません。「仏壇を置けるスペースのある場所」「お線香をあげやすい場所」など、都合に合わせて自由に置き場所を選べます。
仏壇の置き場所ってどう決めたらいいの?
仏壇を置くにあたり、向きと同様に気になるのが「置き場所」ではないでしょうか。
仏間がない場合には、どこに仏壇を置けばいいのか悩んでしまいますよね。
ここからは、仏壇の置き場所を決めるための考え方をご紹介します。
家族が集まりやすい場所
仏壇の置き場所は、家族が集まりやすい場所を選ぶことがおすすめです。
たとえば、リビングや居間などは生活の中心となる部屋。自然と家族が集まり、コミュニケーションを交わす場所でもあります。
そんな家族が集まりやすい場所に仏壇を置くことで、仏壇のお手入れやお線香、お花のお手入れなどがしやすくなるでしょう。
また、仏壇を別室に寂しく置きっぱなしになる心配もありません。
床の間
リビングや居間などに仏壇を置けるほどのスペースがない…とお悩みの場合には、床の間に置いてみてはいかがでしょうか。
床の間は、花や掛け軸などを飾るためのスペースであり、床が一段高くなっているのが特徴です。
仏壇を置いておく場所としても使われることが多いので、他にスペースがなさそうであれば床の間を選んでみてはいかがでしょうか。
ちなみに、仏壇を床の間に置くことは、どの宗派でもタブーとはなっていません。そのため、信仰している宗教に関わらず床の間を、仏壇を置くためのスペースとして活用できます。
おわりに
ライフスタイルの変化などにより、仏間を作らない選択肢をする家庭が増えました。
しかし、仏間がないときの仏壇の置き場所はとても悩んでしまうものです。
今回はそのような悩みを抱えている方へ向けて、仏壇を置く方角や置き場所などについて解説しました。
家の建て替えや引っ越し、仏壇の購入などで、置き場所に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
監修者:大坂 良太 所有資格:遺品整理士・事件現場特殊清掃士
作業は”丁寧”がモットー。大切な人が遺したものだから、私たちも 大切に扱わせていただきます。遺品にまつわる思い出話をうかがいながら、 一つずつ整理していく。こうした遺品整理の過程が「思い出の整理」となり、 少しでもお客様の心が温かくなればと願っています。
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