税金滞納者が死亡したら?子どもの支払い義務について解説
2021/10/06
「税金を滞納していた親が死亡した」「親が逝去後に税金を滞納していたことが判明した」など、税金を滞納していた親が死亡したことで、子どもが慌ててしまうケースは珍しくありません。
税金を滞納していたということは、未納分が存在するということ。この未納分は、子どもが払わなければならないのか…と頭を抱えることもあるでしょう。
そこで、今回は親が税金を滞納していた場合の、未納分の支払いについて解説します。
目次
税金滞納者(親)の未納分を支払わなければいけないケース
税金滞納者であった親の未納分を支払わなければならないケースは、結論からいうと「相続する場合」です。
現金や不動産などを相続するのであれば、同時に未納分の支払い義務も引き受けることになります。相続して受け取れる財産に余裕があれば、税金の未納分の支払いにまわすこともできますが、財産が少ない場合は結果的に子どもの収入や貯蓄から未納分を支払う必要があるので注意が必要です。
ちなみに、税金の支払いには「時効」が存在します。仮に、時効を過ぎれば、税金の未納分の支払い義務はなくなりますが、国が税金の支払いを催促すると時効がリセットされてしまうのです。
また、時効を迎える前に差し押さえをされることがほとんどですので、相続後に時効に頼ることは現実的ではありません。
税金滞納者(親)の未納分を支払わなくてもいいケース
親の税金の未納分は、相続を放棄すれば子どもの支払い義務はなくなります。
現金や不動産など、財産の全てを放棄することになる代わりに、未納分の支払い義務がなくなるのがメリット。そのうえ、所得税や固定資産税、住民税など、税金の種類に関わらず全ての税金滞納分の支払いを免れることができます。
親が税金を滞納していた場合、そもそも財産も少ない場合が多く、トータルで見ると相続を放棄したほうが金銭的な負担は軽減できるでしょう。
相続を放棄するか否かについては、税金の滞納額と親が残した財産のバランスを見て検討してみてください。
税金滞納者(親)の差し押さえはどうなるの?
親が生前のうちに財産の差し押さえが決定し、その後に死亡した場合、差し押さえはそのまま実行されます。仮に子どもが相続を放棄しても差し押さえが決まってしまった以上、免れることはできません。
ただし、子どもが死亡した親の代わりに、税金の未納分を完納できれば差し押さえは回避できます。差し押さえをされるほどですので、未納額は多額になっていることがほとんど。完納は決して簡単なことではありませんが、「差し押さえされたくない財産がある」「相続した財産に余裕がある」などの場合は、未納分の完納を視野に入れて検討する必要があります。
税金滞納者(親)の相続放棄後に税金を払ってしまったら?
税金を滞納していた親の相続を放棄した後に、税金を払ってしまった場合は取り戻せることが多いです。
親が死亡した後に財産を相続する場合は、親が滞納していた税金の支払い義務も原則子どもに引き継がれます。しかし、法律としては「誤って他人の借金を返済してしまったら支払ったお金を取り戻せる」という規定があるのです。
そのため、万が一相続放棄後に誤って税金を支払ってしまっても、国から返してもらうことができます。
ただし、場合によっては支払った税金のお金を取り戻せない場合があるので注意が必要です。
税金が返還されないケースとして挙げられるのは、手元に証書がない場合。うっかり紛失してしまったり、処分してしまった場合は、残念ながら支払った税金は返還されません。どうしても、取り戻したい場合は相続を放棄しなかった相続人に対して請求するという選択肢もあります。トラブルになる可能性があるので、弁護士など専門家を交えたうえで対応するといいでしょう。
税金滞納者(親)の未納分の支払い義務を回避するための注意点
親が滞納していた税金の支払い義務を回避するにあたり、注意しなければならないのが「むやみに遺品を触らないこと」です。
遺品整理をしてしまうと、国からは「相続した」と判断されてしまうことが多い傾向にあります。「不用品を処分した」「単純に掃除しただけ」などでも、財産などを隠蔽したのではないかと疑われてしまいます。
また、遺品のほかにも、「形見」の扱いにも注意です。形見を売却して利益を得ることがあると、相続したと判断されてしまうのです。
親が滞納していた税金の未納分の支払い義務を回避するためにも、遺品関連には触れず、片付けや掃除等に関しては専門業者などの第三者に委託しましょう。
おわりに
税金を滞納していた親が亡くなると、「もしかして支払い義務は自分にあるのではないか」と不安を抱えてしまいます。
もちろん、今回ご紹介した通り財産を相続するのであれば、親が未納であった税金を支払わなければなりません。しかし、財産の相続を放棄するのであれば、税金の支払い義務は発生しないので安心してください。
ただし、親が滞納していた税金の支払い義務を回避するための注意点もあるので、正しく理解したうえで対処しましょう。
監修者:大坂 良太 所有資格:遺品整理士・事件現場特殊清掃士
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